差し込み案件で痛感した“環境構築力”|未経験エンジニアの成長記
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差し込み案件は突然にやってくる
エンジニアの現場には、予告なく波が押し寄せる瞬間があります。いつもの開発タスクをこなしていたある日、通知が一件。「新機能、リリースまで残り3週間です。対応お願いします。」──このメッセージを見た瞬間、心の中で静かに時が止まりました。
通常であれば約1ヶ月半、慎重に進めていく開発。その工程が、まさかの3週間。稼働日は10日前後。スケジュール表を開いた瞬間、思わずため息が出そうになりましたが、逃げる選択肢はありません。自分で手を挙げた以上、やり切るしかない。
設計→実装、順調に見えた…はずだった
要件を整理し、設計書をまとめ、Eclipseを立ち上げてコーディング開始。差し込みとはいえ、仕様理解から実装までテンポよく進みました。レビューもクリアし、テストも順調。時間ギリギリながらも「これ、間に合うぞ」という手ごたえがありました。
差し込み案件+並行作業のプレッシャー
しかも今回は、この案件だけに集中していれば良かった訳ではありません。差し込みの裏では、別の機能改善タスクや既存不具合対応も進行中。タスク管理ツールのボードには未処理カードが並び、カレンダーにはミーティングが散らばり、頭の中は常に高速回転状態でした。
正直、経験豊富なエンジニアでも大変な状況。ですが、僕はまだ未経験スタート。だからこそ、ここで踏ん張らないといけない──そう思っていました。経験は少なくても、モチベーションとやる気なら負けない。自分にできる限りのスピードでキャッチアップし、周囲に追いつこうと必死だったんです。
その頑張りがあってか、実装は想定通りに進み、レビューも通過。残るは動作確認と最終テストだけ。「ここを乗り切れば全部うまくいく」そう信じていました。実装が終わり、エビデンス用の画面キャプチャを撮る準備をしながら、少しだけホッとした瞬間もありました。まさにその時までは──。
そして訪れる想定外
いよいよ全体動作確認。ここまでの努力が結実する瞬間…のはずでした。
──動かない。
新機能自体は動くのに、既存機能の一部が想定と違う挙動をし始める。触っていない箇所が動かなくなるという、現場で最も嫌なタイプの不具合です。「自分、既存コードいじってないよね?」と半信半疑になりながらログを追い、デバッグを繰り返します。
原因:コードではなく設定だった
原因はすぐには特定できませんでした。焦りながらも、ログ、設定、挙動を地道に追いかけます。そして数時間後、ついに真因が判明しました。
- ローカルだけ参照しているDI設定ファイルが異なる
- プロパティファイルの値が最新環境と一致していない
- 環境変数の初期設定が過去のものになっていた
つまり、原因はコードではなく環境と設定のズレ。実装が完璧でも、設定を誤ると動かない──頭では分かっていても、実際に自分の身に降りかかるとその重さが違います。
「言語だけできればOK」は幻想だった
エンジニアを目指していた頃、「言語さえできればなんとかなる」と思いがちでした。でも実際の現場では、言語以外の要素が大きく立ちはだかります。特に、
- 開発環境の違い
- 設定ファイルの管理
- DIやプロパティの仕組み理解
こうした部分は、ドキュメントを読んで理解するだけでは不十分で、手を動かしながら理解し、実際のトラブルを経て身につくものです。今回の件で強く感じたのは、環境構築や設定理解は、未来の自分を助ける投資だということ。
書いたコードが正しいかどうかよりも、環境や設定が揃っていなければ、そもそも走り出せないこともある。そう気づいた瞬間、エンジニアという仕事の奥深さを再認識しました。
差し込み案件が教えてくれたこと
最終的にこの案件は無事完了しました。ギリギリの綱渡りではありましたが、乗り越えることで確かな自信と経験が身につきました。
今回得た教訓はとてもシンプルです。
環境を整える時間を惜しまないこと。
「動けばいい」ではなく、「正しく動く環境を準備する」。その積み重ねが、スムーズな開発と大きなトラブル回避につながります。
未経験でも安心して成長できる環境
こうした経験を乗り越えられたのは、技術だけではなく、周りのサポートがあったからです。弊社では、月に一度の勉強会・交流イベントを開催し、情報共有の機会を積極的に設けています。
また、グループチャットでは日常的に質問が飛び交い、困ったことがあればすぐに相談できる環境があります。一人で悩み続ける必要はありません。実際、今回のようなケースでも知見を持つメンバーが助言してくれることがあり、非常に心強いと感じました。
「分からない」をみんなで乗り越える文化がある。これはエンジニアとして成長していくうえで、何より心強い環境です。
最後に

環境構築や設定は地味に見えますが、エンジニアにとって重要なスキルです。
そこでつまづくのは恥ずかしいことではありませんし、むしろ当たり前。大切なのは、一つひとつ理解し、次に活かせるようにすることです。
弊社では月に一度、20名以上が参加するエンジニア交流会を開催しています。回によってはさらに多くの方が集まり、実務の話や最新技術、キャリア相談など幅広い情報共有が行われています。また、社内のLINEグループチャットでは、困ったことがあればすぐに相談でき、日常的にノウハウが飛び交っています。
ひとりで抱え込む必要はなく、支え合いながら成長していける環境です。
もしこの記事を読んで「話を聞いてみたい」「雰囲気を知りたい」と思っていただけたなら、ぜひ一度気軽にお話ししてみませんか?あなたのエンジニアキャリアの一歩を、全力でサポートします。