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コミュニケーション不足が招いた不具合対応 ― 現場で痛感した「共有」の大切さ

はじめに

開発の現場にいると、「コードを書く時間」よりも「人と話す時間」のほうが大事だと感じる瞬間があります。
今回紹介するのは、私が社内システムの開発に携わる中で経験した、コミュニケーション不足が原因で起きた不具合対応のエピソードです。
技術的な問題ではなく、「伝え方」「共有の仕方」でトラブルが起きたことで、チームとして大切にすべきことを学びました。

プロジェクトの概要

私は当時、社内システムの改修プロジェクトに参加していました。
既存の業務システムに新しい申請フローを追加するタスクで、比較的シンプルな要件に思えました。
ただ、複数部署が利用するシステムだったため、関係者の要望を調整しながら仕様を固めていく必要がありました。

プロジェクトはスムーズに進んでいるように見えました。
しかし、ある小さな仕様変更がきっかけで、大きな不具合が発生してしまったのです。

不具合の発端 ― 「伝えたつもり」から始まったズレ

問題が起きたのは、申請承認フローに関する部分でした。
ある部署から「承認ルートをもう1段階追加したい」という要望があり、リーダーから私へ口頭で共有がありました。

私は「1段階増えるだけなら、既存のロジックを流用できそうだ」と判断し、軽微な修正として実装を進めました。
ところが、実際には“条件によって承認者が変わる”という仕様変更が含まれていたのです。
その情報は、口頭で伝わったものの、設計書やチケットの更新には反映されていませんでした。

テスト段階で不具合が発覚。
申請データの一部が承認待ちのまま止まり、業務が進まないという状況になってしまいました。

そのときどう動いたか ― チームで原因を洗い出す

最初は正直、焦りました。
「自分の実装ミスだろうか?」「テストデータの問題か?」と原因を探るうちに、どうやら仕様認識のズレが根本原因だと判明しました。

私ひとりで抱え込まず、すぐにチーム内の打ち合わせを設定。
リーダー、テスター、設計担当のメンバーで集まり、どのタイミングで情報が抜け落ちたのかを整理しました。

結論として、「仕様変更を口頭で済ませてしまったこと」「ドキュメント更新が後回しになっていたこと」の2点が原因でした。
リーダーも「自分も伝えきれていなかった」と認めてくれ、チーム全体で再発防止に向けたルールを見直すことにしました。

改善に向けた取り組み

今回の件をきっかけに、私たちは以下のようなルールを決めました。

・口頭での仕様変更は禁止:必ずチケットまたはドキュメントで残す

・共有内容は誰が見ても理解できる形に:口頭説明+更新履歴の明記

・小さな変更でもレビュー対象に含める

特に効果的だったのは、「Slackの#仕様共有チャンネル」を作ったことです。
口頭での会話も、あとから要点を簡単に書き残すようにしたことで、
“伝えたつもり・聞いたつもり”のズレが格段に減りました。

学んだこと

今回の不具合対応を通して痛感したのは、「伝えた」ではなく「伝わった」が大事ということです。
どんなに小さな変更でも、情報を残さないと誤解が生まれます。
そして、その誤解はテストやリリースの段階で必ず表面化します。

開発の仕事は、コードだけで完結するものではありません。
チームの中で認識を合わせ、同じ方向を向いて進めることが、結果的に品質を守る最善の方法だと感じました。

おわりに ― 現場の学びが次の挑戦へ

この不具合対応は決して誇れる経験ではありませんが、
“人との連携”の重要さを身をもって理解できた、私にとって大きな転機でした。

今では、チーム全体が「共有」を自然に意識するようになり、
新人もベテランも関係なく、意見を出し合える文化が根づいています。

私たちの現場では、こうしたリアルな経験を糧にしながら、一緒に成長していける仲間を求めています。
技術だけでなく、チームワークを大切にできる人にこそ、ぜひこの現場を体験してほしいと思っています。

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記事監修

ドライブライン編集部

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