【初心者向け】データ通信でよく出るIT用語10選【第3回】

現場で飛び交うデータ通信の専門用語、戸惑っていませんか?
「JSON」「シリアライズ」「エンコード」など、トラブル解決に不可欠な基本用語を、リアルな会話形式でやさしく解説。
送受信の仕組みを理解し、現場で通用する即戦力エンジニアになりましょう!
IT現場に入ると、「データが飛ばない」「型が違う」「フォーマットが合わない」――そんなトラブルに何度も出くわします。
原因をたどると、そこには“シリアライズ”“エンコード”“JSON”など、初心者が聞き慣れないデータ通信のIT用語が登場します。
登場する10単語はこちら👇
シリアライズ/デシリアライズ/JSON/エンコード/デコード/パース/APIレスポンスボディ/プロトコル/ステートレス/セッション
通信やデータ変換の基礎を一気に理解して、“意味のわかるエンジニア”に近づきましょう。
CONTENTS
IT用語とは?
IT用語とは、エンジニアが現場で使う専門的な言葉のこと。
フロントエンド・バックエンド・インフラなど、複数分野が交わる現場では、短い単語で正確に状況を伝えるために使われます。データ通信のIT用語は、API設計やJSONの取り扱い、文字コードのエンコード設定でも頻出します。
初心者がつまずく原因の多くは「言葉の意味を聞き流してしまうこと」。
でも、どんな場面で使われるかを会話で知れば、自然に理解できます。
例文①|シリアライズ(+デシリアライズ)
🗣 現場の会話例
新人B「先輩、このオブジェクトAPIに送れません!」
先輩A「シリアライズしてる?」
新人B「…それって何ですか?」
先輩A「データを“送れる形”に変換すること。受け取るときはデシリアライズだよ。」
💡用語解説
- シリアライズ:プログラム内のデータ(オブジェクトなど)を、通信で送れる形式に変換すること(例:JSON文字列やバイト列)。
- デシリアライズ:受け取ったデータを、再びプログラムで使える形に戻す処理。
👉ポイント:API通信で型エラーが出る原因の多くは、この変換ミス。
(補足)送信前にフィールド名・型・必須有無を共通スキーマで揃えると、変換ミスや項目欠落によるAPIエラーを大幅に減らせます。
例文②|JSON(+パース)
🗣 現場の会話例
新人B「サーバーから変な文字列が返ってきました!」
先輩A「それJSONだよ。パースしないと使えないよ。」
新人B「なるほど、文字列をオブジェクトに直すんですね!」
💡用語解説
- JSON:データのやり取りに使われる最も一般的なフォーマット。{"key":"value"}の形をしている。
- パース:文字列化されたデータをプログラムが理解できる構造に変換すること。APIレスポンスを扱う際の基本。
👉ポイント:JSONを扱えれば、ほとんどのAPIレスポンスを読めるようになる。
(補足)JSONはキー名の表記ゆれや不要プロパティが不具合の温床になりやすく、OpenAPI等で合意したスキーマに沿って実装すると安全です。
例文③|エンコード(+デコード)
🗣 現場の会話例
新人B「日本語が文字化けしました!」
先輩A「文字コードのエンコードが合ってないね。」
新人B「UTF-8で統一したら直りました!」
💡用語解説
- エンコード:データや文字を、通信・保存に適した形式に変換すること。
- デコード:エンコードされたデータを元の形に戻すこと。
👉ポイント:文字化けは“エンコード形式の不一致”が原因。UTF-8への統一が基本。
(補足)実務では「UTF-8統一」「レスポンスのContent-Type/charset確認」「BOM有無の統一」をセットで行うと文字化けを確実に防げます。
例文④|APIレスポンスボディ(+プロトコル)
🗣 現場の会話例
新人B「APIのレスポンスボディ、空っぽです!」
先輩A「HTTPプロトコルの仕様で204返してるんじゃない?」
新人B「あ、ステータス204(No Content)でした!」
💡用語解説
- APIレスポンスボディ:サーバーからクライアントに返すデータ本体部分。
- プロトコル:通信ルールのこと。HTTPやHTTPSなど、送受信の“約束事”を定義する。
👉ポイント:レスポンスが空でも、プロトコル上は正常応答の場合がある(例:HTTPステータス 204 No Content)。
(補足)204や304など“ボディが空でも正常”なコードは仕様に明記し、クライアントで分岐処理を用意して想定外の空レスを避けましょう。
例文⑤|ステートレス(+セッション)
🗣 現場の会話例
新人B「ログイン状態が毎回切れちゃいます…!」
先輩A「そのAPI、ステートレスだからね。セッション管理が別に必要。」
新人B「なるほど、サーバーが状態を覚えてないんですね。」
💡用語解説
- ステートレス:サーバーがユーザーの状態(ログインなど)を保持しない仕組み。
- セッション:ユーザーごとの状態を一時的に保持する仕組み。Cookieやトークン(JWTなど)と併用される。
👉ポイント:ログイン処理ではセッション管理(またはトークン設計)が欠かせない。
(補足)JWT運用時は有効期限・更新方法(リフレッシュ)・保存場所(Cookie/Storage)・失効時の挙動を仕様化しておくと事故を防げます。
例文⑥|デシリアライズ(再)+セキュリティ観点
🗣 現場の会話例
新人B「外部から送られたJSONをそのままデシリアライズしてます!」
先輩A「危険だよ! 不正データが混じってたら実行されちゃう可能性ある。」
新人B「ちゃんと検証入れます!」
💡用語解説
- デシリアライズ(再):受け取ったデータを再構築する処理。ただし信頼できない入力は危険。
👉ポイント:セキュリティ上、デシリアライズ処理にはスキーマ検証・型チェック・サニタイズなどのバリデーションが必須。
(補足)受信データは「スキーマ検証→型チェック→サニタイズ→サイズ/配列長の制限」の順で多層防御にすると想定外入力へ強くなります。
例文⑦|プロトコル設計とパースの重要性
🗣 現場の会話例
先輩A「通信設計、プロトコルとパース処理を統一しよう。」
新人B「チーム全体でルールを決めるんですね!」
先輩A「そう。共通仕様がないと、連携で必ず詰まるからね。」
💡用語解説
- プロトコル(再):通信の取り決め。HTTPやMQTTなど。
- パース(再):受信データを正しく解析し、プログラムが理解できる形に変換する処理。
👉ポイント:API設計では“データ形式と解析ルールの共通化”が品質を左右する。
(補足)リクエスト/レスポンスの例とエラーパターンを仕様書に載せ、同じテストデータで疎通確認するとチーム間の解釈ズレが減ります。
まとめ
IT用語は「いつ・どこで・なぜ使うか」を理解することが大切。
現場では、短い単語で正確に状況を伝えることが求められます。
最初は難しく感じる言葉も、こうして会話の中で学ぶことで、自然に定着していきます。
この記事で紹介した単語は、すべて「通信・データ変換」の基本。
現場で“なんとなく聞いたことある”を“理解して使える”に変えていきましょう。
小さな理解の積み重ねが、確実にあなたの技術力を底上げします。
次回は、「非同期処理」「スレッド」「イベントループ」など、実行の裏側をテーマに予定しています。
(補足)この記事の要点をチェックリスト化して共有すれば、レビューや受け入れテストの精度も安定します。