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【2025年版】インフラエンジニア教育のロードマップ|研修設計から組織作りまで徹底解説

「インフラエンジニアがなかなか育たない」

「OJTがうまく機能せず、若手のスキルが伸び悩んでいる」

企業のIT基盤を支えるインフラエンジニアの育成は、多くの企業にとって喫緊の課題です。技術革新のスピードが加速する現代において、旧来の教育手法だけでは市場の変化に対応できる人材を育てることは困難になっています。

この記事では、2025年の最新動向を踏まえ、インフラエンジニア教育を成功させるための具体的なロードマップを提示します。効果的な研修プログラムの設計から、学習意欲を引き出す組織作り、外部リソースの活用法まで、明日から実践できるノウハウを網羅的に解説します。

データで見るインフラエンジニア育成の重要性

なぜ今、インフラエンジニアの教育に力を入れるべきなのでしょうか。その理由は、深刻な人材不足と、急速な技術トレンドの変化にあります。

① 圧倒的な需要と人材不足

厚生労働省のデータによると、「情報処理・通信技術者」の有効求人倍率は2倍前後で推移しています。したがって、全職種平均を大きく上回る「超売り手市場」です。

さらに、経済産業省は2030年に最大で約79万人のIT人材が不足すると試算しています。したがって、優秀なインフラエンジニアの採用はますます困難になります。

もはや、人材は「採用する」だけでなく「自社で育てる」ことが企業の生命線なのです。

② クラウド化への対応は必須

従来のオンプレミス環境からクラウドへの移行は不可逆的な流れです。MM総研によると、国内のクラウドサービス市場は、2027年度には17兆円を超える規模に達すると予測されています。

したがって、AWS・Azure・GCPといったクラウド技術を扱えるスキルは、もはやインフラエンジニアの必須要件となっています。

③ 育成が難しい背景

多くの企業が育成の必要性を感じつつも、下記のような課題を抱えています。

指導者の不足という問題があります。優秀なエンジニアほど現場のプロジェクトで多忙を極め、教育に時間を割けません。

また、OJTの形骸化も深刻です。体系的なカリキュラムがなく、「見て覚えろ」式のOJTになり、若手が育ちません。

さらに、技術の陳腐化という課題もあります。教育内容がすぐに古くなってしまい、最新の技術トレンドに追いつけません。

したがって、これらの課題を乗り越え、持続可能な教育体制を築くことが、企業の競争力に直結します。

インフラエンジニア教育を成功させる3ステップのロードマップ

効果的な人材育成は、場当たり的な研修ではなく、戦略的な計画に基づいて進める必要があります。ここでは、教育体制を構築するための3つのステップを紹介します。

育成ロードマップの全体像

Step 1. 研修プログラムの設計では、「何を」「どの順番で」教えるかを定義します。

一方で、Step 2. モチベーションを高める仕組み作りでは、エンジニアが自律的に学ぶ文化を醸成します。

さらに、Step 3. 組織としての教育体制の整備では、継続的に教育を支援する制度と環境を整えます。

Step 1. 研修プログラムの設計|基礎からクラウド・セキュリティまで

育成の根幹となるのが、スキルレベルに応じた体系的な研修カリキュラムです。

フェーズ 習得目標 具体的な研修内容(例)
① 基礎技術の習得
(~6ヶ月)
ITインフラの土台となる知識を徹底的に固める ・ネットワーク基礎(TCP/IP, DNS)
・サーバー基礎(Linuxコマンド, Windows Server)
・仮想環境(VMware, VirtualBox)でのハンズオン演習
② クラウド・仮想化技術
(~1.5年)
モダンなインフラ構築・運用スキルを身につける ・パブリッククラウド(AWS, Azure)の基本操作
・IaC(Infrastructure as Code)ツールの利用(Terraform, Ansible)
・コンテナ技術(Docker, Kubernetes)の基礎
③ セキュリティ・応用技術
(~3年)
堅牢で信頼性の高いシステムを設計・運用する力を養う ・ファイアウォール、WAFの設定・運用
・ログ監視、インシデント対応訓練
・パフォーマンスチューニング、障害切り分け

Step 2. モチベーションを高める仕組み作り

どれだけ良いカリキュラムがあっても、本人の学習意欲がなければスキルは身につきません。したがって、自律的な学びを促す文化作りが重要です。

コーチングとメンター制度を導入しましょう。定期的な1on1面談で、技術的な疑問だけでなくキャリアの悩みも相談できる環境を用意します。したがって、中長期的な成長を支援できます。

また、失敗談の共有文化も重要です。成功体験だけでなく、過去の障害事例やトラブル対応の経験を共有する場を設けましょう。「なぜ失敗したか」「どうすれば防げたか」を学ぶことは、最高の教育コンテンツになります。

さらに、社内勉強会や発表会も効果的です。エンジニア同士が学んだことを発表し合う機会(ライトニングトークなど)は、知識のアウトプットを促します。したがって、チーム全体の技術レベルを底上げします。

Step 3. 組織としての教育体制の整備

個人の努力だけに頼らず、会社として教育を支援する制度を整えることで、育成は加速します。

キャリアパスと評価制度の明確化

「インフラ構築担当 → クラウドアーキテクト → セキュリティスペシャリスト」といったキャリアパスを明示しましょう。さらに、スキルマップと評価・報酬を連動させることが重要です。

CCNAやAWS認定といった資格の取得を昇格要件にすることも有効です。また、報奨金を支給することも、学習意欲を高める施策となります。

外部研修と助成金の戦略的活用

社内に専門家がいない分野については、無理せず外部の専門研修を活用しましょう。厚生労働省の「人材開発支援助成金」などの制度を利用すれば、費用負担を抑えながら質の高い教育を導入できます。

「教える人」を育てる

教育を任される現場のリーダーやマネージャー自身も、指導のスキルが必要です。したがって、「教えるための研修」を実施し、OJTの質を高めることが重要です。これが、組織全体の教育レベルを向上させる鍵となります。

まとめ:持続可能な教育体制こそが企業の競争力になる

インフラエンジニアの教育は、短期的なコストではなく、未来の事業を支えるための戦略的投資です。

今回ご紹介したロードマップを参考に、まずは自社の現状の課題を洗い出すことから始めてみてください。基礎から応用まで一貫して学べる環境、そしてエンジニアが成長を実感できる文化を育むことが、優秀な人材の定着につながります。したがって、ひいては企業の競争優位性の確立へとつながります。

外部のリソースや公的支援も賢く活用しながら、自社に合った持続可能な教育体制を構築していきましょう。

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記事監修

ドライブライン編集部

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